暑い夏も終わり、10月に入り秋の訪れが感じられるようになりました。
ふと思い付きで、次の休みに、ゴルフか美術館に行こうよ!と妻を誘ってみました。
意外とすんなりOKの返事が返ってきたので、びっくりしましたが、アサヒビール大山崎山荘美術館に行くことにしました。
実は、都心にある美術館ではなく、森の中にあり、美術鑑賞だけでなく、自然も味わえ、あの有名な建築家の安藤忠雄が手がけているということもあり、いつかいってみたいと思っていた場所だったんです。
森の中といっても、交通の便も良く、行って見てとてもよかったので、皆さんにもおすすめします。
行って見てよかったことは、周りの庭や建物、美術作品などについて、ごく自然に妻と仲良く話せたことです。
普段仲が悪い訳ではありませんが、やはり会話は少なくなっている様に思います。
やはり良い環境と美しいものをみると気持ちもいつもとは違いますね。
行ってよかったと思っています。
では、アサヒビール大山崎山荘美術館のことを紹介します。
Table of Contents
どんな美術館?
ざっくりまとめると、大きく4つ!
① 大正レトロモダンな建築物と、安藤忠雄設計のコンクリート打ち放しの近代的建築物が見事に融合し2つ楽しめる。
② 5500坪の敷地にある大山崎山荘美術館は、邸内をゆっくり散策して四季折々の自然を楽しめる。
③ モネ・ピカソ・モディリアーニ・ルオーの作品がゆっくり鑑賞出来る。
④ テラスからの長めが超絶のカフェ!
入館料900円でアクセスも良く半日は十分楽しめる場所。
人も少なく、ゆっくりと贅沢な時間が過ごせる、大人デートにピッタリ!
実際、私も妻と話も弾むデート気分が味わえました。
●場所
〒618-0071 京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3
TEL:075-957-3123(総合案内) FAX:075-957-3126
交通アクセス
◎阪急電車京都線「大山崎駅」から徒歩約10分
◎JR京都線(在来線)「山崎駅」から徒歩約10分
◎名神高速「大山崎IC」から約5分(美術館に駐車場はありません)
●建物について
関西の実業家・故加賀正太郎氏が大正から昭和初期にかけ建設した「大山崎山荘」を創建当時の姿に修復し、建築家・安藤忠雄氏設計の新棟「地中の宝石箱」などを加え、1996年4月に開館しました。
もともとは関西の実業家・加賀正太郎(1888-1954)の別荘として、大正から昭和にかけ建設されました。
施主であった加賀正太郎自身が山荘の設計からソファーやテーブル、イスに箪笥、また食器類やお弁当の包み紙に至るまで自らデザインを行い、生活の全てをトータルでデザインされています。
本館建築に先駆け白雲楼という木造3階建ての塔が建設されました。
加賀正太郎がこの塔の上から敷地全体を見渡し工事を監督したそうです。
相当なこだわりですよね(笑)
本 館 加賀正太郎設計 (監修)
本館は、イギリスのチューダー・ゴシック様式に特徴的な木骨を見せるハーフティンバー方式をとり入れ、鉄筋コンクリート造、屋根部分には鉄骨が組まれています。
地中館「地中の宝石箱」 安藤忠雄設計
周囲の景観との調和をはかるため半地下構造で設計され、円柱形の展示空間上部には植栽がほどこされています。
階段通路の上部四方と正面にガラスを使用しているため、周囲の木々の緑が美しく目に入ります。
(1995年竣工)
山手館「夢の箱」 安藤忠雄設計
本館と夢の箱をつなぐガラス張りの廊下です。かつての蘭温室だったそうです。
(2012年竣工)
加賀正太郎(1888-1954)
1888年1月17日、大阪船場の富商加賀商店の長男として生まれます。
東京高等商業学校(現一橋大学)入学後、欧州に遊学
1943年ロンドンの日英博覧会見物の帰途で、たスイスアルプスの高峰・ユングフラ(4158m)の日本人初の登頂に成功。
1911年に家業を再開し、証券会社(加賀証券)を設立し成功を収めます。
1934年に竹鶴政孝を支援して大日本果汁(後のニッカウヰスキー)創立に参加します。大日本果汁の筆頭株主となる。
大山崎山荘建築と平行して、蘭の本格的な栽培に乗り出します。
アサヒビールの初代社長であった故山本爲三郎と同じ財界人として深い親交があり株を全て託した。
山本爲三郎(1893-1966)
大阪の生まれ。
父親の早逝をうけ、17歳の時に家業の製瓶業(山爲硝子)を受け継ぎ、早くから実業界に入りました。のちに大日本麦酒株式会社の専務を経て、朝日麦酒(現:アサヒビール)の会長となり事業を拡大
経営難にあえぐニッカウヰスキーを自社に吸収合併しつつ、竹鶴政孝を信頼し、ニッカウヰスキーの品質本位の酒造りを支援しつづけた。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史を語る上で外せない重要人物の一人
●ヒストリー
1912年から山荘建設に着手。
1917年頃に第一期工事は完成。当時の山荘は、現在の本館玄関ホール部分にあたり、イギリスの炭鉱夫の家を想像したとされている。
1922年に加賀は早くも山荘の改造に着手。
1932年頃に現在の本館が完成。
1954年に加賀正太郎が亡くなり、ついで加賀夫人がこの世を去る。、
1967年に大山崎山荘は加賀家の手を離れることになりました。
1989年には山荘をとり壊し、大規模マンションを建設する計画が浮上するも銃味の反対等で中止。
1991年から1995年本館修復作業と共に、安藤忠雄氏の「地中の宝石箱」と呼ばれる地中館の工事。
1996年にアサヒビール株式会社が、山荘を復元し「アサヒビール大山崎山荘美術館」として公開。
2004年には、「大山崎山荘」の6つの建物が国の有形文化財として登録。
2005年には来館者が100万人を越える。
2012年に山手館「夢の箱」竣工。
2017年8月ゼネコンの大林組が耐震改修を行なう。
2021年7月5日(月)-9月17日(金)施設改修のため、休館
2021年9月18日(土)-2021年12月5日(日) 開館25周年記念 「和巧絶佳展 ―令和時代の超工芸」
2017年8月木造建屋耐震改修
大正時代に建設された個人の山荘を美術館として運用されている。当時の趣をそのまま維持しながら、公的な活用を継続するため耐震補強を行った。内部は構造用合板による耐力壁の設置と天井面火打による剛床補強を、内装の風合いを変えずに再現した。劣化した木造材の置換えも含め、解体を進めながらの設計であった。
■道案内
私は車で行きました。
美術館には駐車場がありません。
車の場合はJR山崎駅の東側線路沿いに有料駐車場があるので利用出来ます。
料金は、私が行った当日は終日で800円でした。
電車でも便利だと思います。
ちょうど大阪駅から30分、京都駅から15分と近くにあります。
JR山崎駅からは歩きになりますが、距離は近く歩いて10分ほどですが、常に上り坂となるため、歩きやすい靴で出かけることをおすすめします。
ただ、JR山崎駅から無料バスが出ているので利用するのもいいです。
バスの本数は限られます。
「中国大返し」。その羽柴軍と明智光秀軍が決した山崎合戦の舞台、天王山の南麓に美術館があるので、登り坂をひたすら歩きます。
踏切を渡るとすぐに天王山登り口の石碑があります。
『うつつきて ねぶとに鳴や 郭公』
山崎宗鑑の掛詞を巧みに使う俳諧の基礎となった
古来、大山崎は軍事、交通の要衝となり、室町時代より天王山に城が築かれた。のちに、天下分け目で知られる天王山『山崎の合戦』1582年6月13日に繰り広げられる。
また利休が建立した唯一現存する茶室もあるところです。
途中に夏目漱石が大山崎山荘を訪れ、礼状に一句添えられていたことを記した石碑があります。
『宝寺の隣に住んで櫻哉』
漱石も山荘の桜に魅了された一句
静かな小道を歩くとやがて山荘の入り口になります。
山荘の入り口はトンネルです。
個人の別荘ですが、入り口がトンネルとはスケールがありますね(^^)
トンネルをくぐると右手に庭園が木々の合間から見えます。
そこはとりあえず立ち寄らずに前に進んでいくと、レストハウスが見えます。
別荘の車庫として建てられたレストハウスは、チューダー・ゴシック様式になります。
現在は休憩所兼コインロッカーとトイレとして利用されます。
美術館にはカバンやリュックの持ち込みが禁止されているので、こちらで荷物を置いていきます。
ロッカーは無料なのがありがたい。
荷物をおいて、先に入館料を支払わなければいけないので財布は忘れずに先に進むと、本館が見えます。
森に佇む洋館です。
小さな入り口は自分でドアノブを回して開けます。
中はロッヂ風の吹き抜けの落ち着きのある重厚な雰囲気がプンプンします。
受付があるので、そこで入館料を支払います。
一般 900円
午前10時〜午後5時
※館内は撮影禁止です
■施設案内
入館料を支払い館内を見回すと、どっしりとした大きな柱や針が丸見えのアルプスの山小屋のようなイメージの吹き抜け空間です。
残念ながら、館内の写真撮影はNGです。
このような工法は「ハーフティンバー工法」というらしく、外壁に骨組みが露出しているのが特徴で、黒い構造木材と白い漆喰でつくられたアルプス以北の伝統的木構造だそうです。
イギリスでも多く用いられている。
柱、梁、斜材(筋違)、間柱、窓台等の軸組は隠されず装飾材としての役目を重ね、軸組の間を漆喰やレンガ、石などで仕上げられた建築物!
私はこのような建物に憧れますねます!
こんな建物が別荘だなんて、昔のお金持ちはスケールも大きいですね!
受付から目に入るのは、「ミュージアムショップ」といってもコーナーです。
書籍やガイドブック、モネに関するグッズ、ケーキやお菓子などが販売されています。
・本館に展示室が3つ
そして、安藤忠雄が設計した
・地中館(地中の宝石箱)
・山手館(夢の箱)
の5つのブースからなります。
本館
館内の巡回順を示した案内通り進んで行く感じです。
私が訪れた時は、開館25周年記念イベントとして『和巧絶佳展ー令和時代の超工芸』が開催していました。
今最も注目されている1970年以降に生まれた作家12人の作品でした。
日本の伝統的文化の価値を問い直す作品です。
これが結構楽しかったです。
妻も関心があったようで、2人で「これテレビで見たことある♪」などと盛り上がりました(^^)
館鼻則孝さんのヒールレスシューズ、
あのレディガガが衣装で使ったシューズ。
深堀隆介さんの金魚の新しい技法
見附正康さんの陶器の絵付け、細かすぎる〜
坂井直樹さんのシンプルですが味わいのある茶器
などなど楽しく、会話もはずみました。
地中館(地中の宝石箱)
次は、地中館(地中の宝石箱)です。
建物の雰囲気は一気に変わりますが、周りの森の中の環境とコンクリートとガラスの機能美が全く違和感なく馴染んでいる。
思わず「オオッ〜」とため息が出ます。
一直線に伸びた横幅2メートルほどの直接ですが、上下感で高低を演出し、なんとも言えない空間です。
流石ですね!
横の池を眺めながら、地下に潜って行くと中は円形のホール。
そこにモネの絵が4点展示されています。
なんと贅沢な広々した空間なのか、所々に椅子があるので、ゆっくり鑑賞できます。
山手館(夢の箱)
次は、山手館(夢の箱)です。
ガラス張りのテラス風廊下。
施主でもある加賀正太郎の蘭栽培の温室にも関係しているのか?
こちらも本館のイメージから山手館を継なぐ廊下ですが、庭園を観察できる優雅な部分です。
この3つの違う空間を味わうことができるのも楽しめる部分ですね!
喫茶室
最後はメインイベントでもある2階にある喫茶室です。
店内は ザ・大正モダン といった感じで重厚なカーペット敷の床にレトロな家具や照明、所々和テイストになっています。
お目当てのテラス席に行きましたが、すでに満席。
コロナのこともあり、間引いて座るため、空きテーブルはあるのですが座れません。
皆さんに配慮してくれているのか、時間は40分までとなっているので、少し待てば座れました。
ここは少し待ってでも座りたいところです。
テラスからの眺めは最高。
三川合流といわれ、関西では有名な一級河川・淀川、あの太閤秀吉の妻・淀姫にもちなんだ川になるところです。
桂川、宇治川、木津川という三大河川が合流し淀川になる「三川合流部」
綺麗には見えませんが、想像しながらコーヒーとケーキでマッタリします。
こちらの喫茶室は、加賀正太郎ともゆかりのあるリーガロイヤルホテル京都が協力しています。
毎回、その時にイベント開催している企画に合わせてオリジナルスイーツを提供してくれます。
今回は、『和巧絶佳展ー令和時代の超工芸』にちなんで、和の食材。
抹茶と蜂蜜のスポンジケーキに、柚子ジャムと抹茶のシロップ!
妻と2人で景色とケーキとコーヒーで、デート気分を味わうことが出来ました♪
■まとめ
関西の2大都市の中間にあり、人混みのない閑静な森の中の美術館。
・レトロモダンな建築物と、近代的建築物が見事に融合し2つ楽しめる。
・5500坪の敷地にある邸内をゆっくり散策して自然を楽しめる。
・自然の中でゆっくり美術鑑賞出来る。
・テラスからの長めが超絶のカフェがある。
まさに私のようなアラフィフにピッタリのスポット
。
日常の雑多なことを忘れて、静かにのんびりと過ごせます。
妻と2人で美術品を見て最高の景色でコーヒーとケーキ!
久しぶりにロマンテックなデート気分が味わえて良かったです。
皆さんにもおすすめしたく、ブログにアップしました。
私の気になるもの
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